ミナミヌマエビ の飼育・繁殖の方法と、水質やエサについて

ミナミヌマエビの飼育・繁殖の方法と、水質やエサについて

ミナミヌマエビ - トップ

ミナミヌマエビとは

ミナミヌマエビ は、日本にも生息しているヌマエビで、その一生を淡水で過ごします。
ですので、淡水水槽で飼育・繁殖が可能な、飼いやすく、育てやすい、とても人気のあるヌマエビです。

初心者から上級者まで、幅広く愛され、多くのアクアリストにとって、コケ取り生体として認識されているのではないでしょうか。

また、現在「ミナミヌマエビ」として販売されているものが、シナヌマエビ(外来種)との交雑種という情報もあるようです。
自然の川で採集したものも、交雑種ということにもなってきているようです。

「日本固有種」と書かれて売られているものを見たことがないので、確かにそうかもしれませんが、それはDNA鑑定をしなければ実際のところはわかりませんので、ここではそれらを含めて「ミナミヌマエビ」とすることにしております。

こうした内容の記事に触れるにつれ、安易に飼いきれなくなった熱帯魚を川に放つ事をやめようと思う人が増えてくださるといいなと思います。

ミナミヌマエビの特徴

成熟しても、オスは2cm程度、メスは3cm程度と小型で、性格も温厚。他の熱帯魚などの生き物を襲うこともありません。

その小柄な見た目と、透明な身体に八の字の縞模様が美しく、水草や石などのレイアウトの邪魔をすることなく、せっせとつまつましている姿を愛でることができます。

また、若い個体はオスメスともに半透明で、ほとんど模様もないため、判別することが難しいですが、メスの成体は成熟していくにつれ、体の色の変化が大きくでます。

寿命は1〜2年程度で、順調に成長すると、産まれてから2ヶ月程度で繁殖可能になります。

ミナミヌマエビの水質

ミナミヌマエビはpH6.5〜7.0程度の弱酸性〜中性の水質を好みます。
しかし、実際に飼育する際に、そこまで気にして飼育されている人は多くはないかもしれません。
ミナミヌマエビは急な水質の変化には、体力を消耗し、弱ってしまうことがありますが、一度慣れてしまえば、強酸性や強アルカリ性、水質が相当悪化した環境などでもない限り、数ヶ月水換え無し・エサもほとんど無しでも水草やフィルターがあれば生きていけるので、適応能力は狭くありません。

カルキを抜いた水をそのまま使用しても問題なく過ごせる環境となります。
しかし、水草の残留農薬には非常に弱く、水草を導入する際には注意が必要です。
また、ミナミヌマエビを購入し、水槽に入れる際には、点滴法など、急な水質の変化にならないように入れてあげると、死ぬ確率は下がります。

ミナミヌマエビの飼育温度

元々日本でも生息しているヌマエビの仲間ですので、越冬も可能です。ただ、屋外よりも室内の方が安全に越冬できます。最適な水温は20〜26度程です。
冬場は5度程度でも耐える場合もしばしば見受けられますが、水面が凍るような屋外の環境ではダメージが大きくなります。

夏場の高温には注意が必要で、30度付近から酸欠や高温などで落ちてしまうことがあります。
室内飼育でも、夏場は直射日光が当たる場所は避けた方が良いでしょう。
室内の場合は、エアコンや水槽用の冷却ファン、クーラーなどを上手く利用し、ミナミヌマエビが過ごしやすくしてあげましょう。

冬場にヒーターを使用しない場合、繁殖はせず、春の気温が20前後になると、繁殖し出します。
1年を通して安定して繁殖をさせてい場合は、ヒーターを設置し、25度前後で安定した水温を保って飼育すると良いです。

ミナミヌマエビの水槽サイズ

水槽のサイズは、30cm、45cm、60cm、90cmなど、色々な規格がありますが、ミナミヌマエビの飼育のしやすさ、繁殖のしやすさを考えると、大きめの水槽での飼育を検討した方が良いかもしれません。
小さな水槽では、その繁殖力の高さからすぐに過密飼育になり、次第に水槽が手狭になっていき、水質の悪化の速さから小まめなメンテナンスを要求されたりしてしまいます。

ミナミヌマエビのフィルター

ミナミヌマエビには、フィルター無しでも飼育は可能です。ただし、その場合はエサの食べ残しやフンの処理など、小まめにメンテナンスをしてあげた方が良いでしょう。
また、酸素不足にならなように、エアレーションはしてあげた方が良いと思います。

フィルターを使用する場合でも、底面式フィルターや投げ込み式フィルター、上部フィルターなど水槽のサイズや飼育しているミナミヌマエビの数に応じて濾過能力を選んで良いと思います。

ただ、上部フィルターなど、フィルターの吸い込み口に稚エビが吸い込まれてしまうことがあるため、専用のストレーナースポンジを着けるなど、対策が必要となります。

適度な水流であれば、水質の維持にも役立ちます。元々流れの緩やかな川や池などの止水域に生息しているため、水流がなければ弱って死んでしまう、また水流によって弱って死んでしまうということはありません。

ミナミヌマエビのエサ

赤虫や人工飼料などのエサを食べますが、ミナミヌマエビが脱皮した殻や、水槽内に発生する植物性プランクトン、動物性プランクトンなどの微生物もミナミヌマエビのエサとなります。
ですので、低床が敷いてあり、水草を植え、石などのレイアウトがあって、フィルターを使用しているような環境であれば、自然と発生するプランクトンなどや水草についたコケなどを常につまつましています。
その場合、ほとんどエサを与えなくても飼育が可能なこともあります。ミナミヌマエビが落ち着く環境という意味でも、ウィローモスなどの水草を水槽に入れてあげるのも良いでしょう。

他の熱帯魚などと混泳しているのであれば、フレーク状のエサなど、熱帯魚に与えた人工飼料の食べ残しを綺麗にしてくれたりもします。

ミナミヌマエビの混泳

ミナミヌマエビ自体、温和な性格で他の熱帯魚を襲うことはありません。しかし、大型の熱帯魚など、エビをエサとする魚もいますので、エンゼルフィッシュやベタ、ディスカスといった熱帯魚との混泳は向いていません。

向いている生体としては、レッドラムズホーンや石巻貝などの貝類。
メダカ、ネオンテトラやグッピーなどの小型で大人しい熱帯魚。
オトシンクルス、プレコなど、吸盤状の口をしているのが特徴の熱帯魚。
などが混泳可能と言われています。

ただし、個体差や飼育環境などがあり、エビをつついたりする生体もいるかもしれません。そういった場合には、シェルターや水草などの、エビが避難できる場所を確保してあげることをおすすめします。

また、ハッチアウトしたばかりの稚エビは相当小さいので、混泳可能と言われている比較的小型な熱帯魚でも稚エビが食べられてしまう危険性があるので、ウィローモスなどの水草やシュリンプ用シェルターなどの隠れ家を用意してあげると良いです。

ミナミヌマエビの繁殖

オスメスの成熟した個体が揃っていると、ミナミヌマエビは比較的簡単に繁殖します。

メスの背中に卵が見えてくるようになると、脱皮したメスからフェロモンが出ると言われ、オスはそのフェロモンに誘われて交尾をします。その際、オスがメスを探すために水槽内を盛んに泳ぎ回ります。これは「抱卵の舞」と呼ばれ、ミナミヌマエビを飼育する楽しみのひとつではないでしょうか。

交尾が終わったメスは、2、3時間かけ、卵をお腹に抱えていき、一度に30〜50以上の卵を抱えることもあります。

おおよそ1ヶ月程度で孵化し、稚エビ達は順次ハッチアウトしていきます。
稚エビは2mm程度のサイズしかなく、熱帯魚と混泳していると狙われる危険もあるため、逃げ場を用意してあげることで生存率を高めることができます。

繁殖しやすいミナミヌマエビですが、冬の寒い時期には繁殖活動をせず、春の訪れを待っていますので、1年を通して繁殖を楽しみたいのであれば、水槽にヒーターを入れ、水温を25度前後に保ってあげると年中繁殖が楽しめるようになります。

さいごに

一度水槽の環境に慣れると、なかなか丈夫で、元気に泳ぎ回る姿や、水草などをつまつましている姿がとても可愛らしいミナミヌマエビですが、繁殖のしすぎで増えすぎてしまうことも多々あります。

増えすぎてしまったからといって、川へ放流したりせず、年中ヒーターを使用しているのであれば、使用を中止し、冬場は繁殖させないなど、増えすぎないように工夫してみるのも大切なことではないでしょうか。

関連記事

ブログトップへ スクラッチサイトはコチラ
Home-button top-button blog-button twitter-button